商談の前に、相手の業界の足元を数字でそろえたかった
当社は、面談が決まったお客様へ、事前に資料をお送りしています。 そのとき毎回迷っていたのが、相手の業界がいま追い風なのか向かい風なのかを、どう確かめるかでした。 ニュースの見出しだけで判断すると、同じ業界でも大企業の話と中小企業の話が混ざってしまいます。
そこで、誰でも同じ手順で確かめられる公開統計だけを使い、物差しを先に決めてから点数をつけることにしました。 点数の付け方は、天気図のページの下にすべて書いています。当方の物差しなので、違う物差しで見れば天気が変わることもあります。
何で天気を決めているか
見る目線ごとに、使う統計を分けています。
業種・上場企業の目線は、東京証券取引所の決算集計(2026年3月期)の業種別の営業利益と、日銀短観の大企業の景況感とその先行きで見ています。 業種・中小企業の目線は、日銀短観の中小企業の景況感、財務省の法人企業統計、東京商工リサーチの倒産件数です。 都道府県は、内閣府の景気ウォッチャー調査と、厚生労働省の県別の有効求人倍率。 スタートアップは、経済産業省のJ-Startupに選ばれた270社を分野ごとに分け、その分野を名指しした国の支援の大きさを見ています。
業種ごとのページには、判定に使った数字に加えて、その業種に効く国の施策(出典つき)と、離職率も載せました。
2026年秋に見えていること
財務省の法人企業統計(2026年4〜6月期)で、資本金1億円未満の会社の合計を見ると、売上高は前年同期比+6.9%でした。 ところが営業利益は−1.5%です。資本金10億円以上の会社は、同じ期間に営業利益が+31.8%でした。 売上は伸びているのに、利益が残っていないのが、中小企業の足元です。
業種の目線でも、上場企業と中小企業で天気が分かれる業種があります。 天気が違う業種は、会社の大きさによって景気の感じ方が分かれている業種です。 取引先の多くが中小企業なら、上場企業の決算のニュースだけで判断しないほうが安全です。
よくある読み方
業界の景気を
ニュースの見出しで判断する
↓ 大企業の決算と中小企業の実感が混ざる
- 「好調らしい」「厳しいらしい」で話が止まる
- 出典が無いので社内の資料に使えない
- 取引先の会社の大きさを考えに入れていない
商談の冒頭が、感想の交換で終わる
天気図での読み方
同じ業種を
2つの目線で並べて見る
↓ 上場企業と中小企業、それぞれの数字と出典
- 天気が同じか、分かれているかを見る
- 効いている国の施策と締め切りを確かめる
- 離職率で、人の入れ替わりの速さを見る
商談の冒頭から、相手の足元の話ができる
図:同じ業種でも、会社の大きさで天気が分かれることがあります。
今週できる3つ
どれも天気図を開いて、10分以内で終わります。
1
自社と主要な取引先の業種を開き、2つの目線の天気を見比べる
上場企業の目線と中小企業の目線で天気が違う業種は、取引先の大きさで話の前提が変わります。
目安10分/材料=取引先の上位5社の業種
2
次の商談相手の業種ページを、事前の資料と一緒に送る
業種ごとのページには、そのページへのリンクをコピーするボタンがあります。出典つきなので、相手の社内でもそのまま回せます。
目安5分/材料=次の商談の日程確定メール
3
「制度の変わり目」から、取引先に効く日付を1つ選ぶ
最低賃金の引き上げ(10月1日から順に発効)や、省力化投資補助金の締め切り(10月16日)など、業種を問わず効く日付を載せています。次の定例の話題にできます。
目安10分/材料=天気図の「制度の変わり目」
ここまでは、天気図を開くだけで自分で進められます。
天気に合わせて、売り方を変える
晴れの業種では、受注が増えるぶん、商談が一部の人に集中しがちです。 雨の業種では新規の獲得が重くなり、休眠のお客様の掘り起こしや、代理店・パートナー経由の売り方を見直す余地が出てきます。 人の入れ替わりが速い業種では、仕事の教え方を手順書や短い動画に残しておくことが効いてきます。
当社が営業・組織の仕組み化パートナーとしてお受けしているのは、こうした売り方と決め方を、会社に残る形に整えることです。 初回は現場に伺って実務を確かめ、以後は月2回の定例で回します。
業界天気図は景気の見取り図です。株式の売買や投資をすすめるものではありません。数字は2026年9月30日時点で公表されていたものです。
