営業資料を作り直す前に決めた3つと、納品のときに添えた2つ

PR・広報の分野で活動されている個人事業主の方から、営業資料10ページの作り直しをご依頼いただきました。 手元に資料はすでにあり、直したかったのは見た目ではなく構成でした。 作り始める前の60分の打ち合わせで決めた3つと、納品のときに資料とは別に添えた2つを書きます。1件の事例なので、一般論ではなく、この案件で起きたこととして読んでください。

資料はあった。決まっていなかったのは「誰が、いつ読むか」

ご依頼の時点で、営業資料はすでにお持ちでした。ご自身で作られたもので、内容も整っています。 それでも作り直しを考えられたのは、構成から見直したい、という理由でした。

最初にお願いしたのは、ページの話ではなく60分の打ち合わせです。 資料の構成は、誰が、どの場面で開くかで変わります。 商談の席で説明しながら見せる資料と、メールで届いて相手がひとりで読む資料では、 同じ内容でも並べる順番が違います。 そこが決まらないまま作り始めると、版を重ねても「なんとなく違う」が続きます。

決めないまま作り始めると(よくある流れ)

出発点
「資料を構成から直したい」

↓ そのままページを作る

  • 読むのが担当者か決裁者か、版ごとに揺れる
  • どの業種まで載せるかが、途中で変わる
  • 実績の出し方が、最後に差し戻る

直すたびに構成が動く=
版だけが増える

この案件で先に決めたこと

出発点
「資料を構成から直したい」

↓ 3つを決めてからページを作る

  • 読む人=資料を求めてきた会社の担当者。ひとりで読む
  • 範囲=声をかける業種を、どこまで広げるか
  • 実績=社名は出さず、数字だけ出す

構成は最初に決まり、
直しは言葉と体裁に絞られる

図:左は決めずに作り始めたときによくある流れ、右がこの案件で先に決めた3つです。

決めた3つ

ひとつめは、読む人と場面です。 伺うと、この資料は「資料がほしい」と連絡をくださった会社へ送るものでした。 最初に開くのは担当者で、ひとりで読みます。 そこで、担当者が読んで「話を聞いてみたい」と社内へ持っていける順番に組み、 決裁者に向けた言葉は補助に回しました。

ふたつめは、範囲です。 声をかける先の業種を、どこまで広げるか。 打ち合わせの前はこちらの仮説でしたが、ご本人の経験を伺って、広げる判断になりました。 資料に載せる例も、その範囲に合わせています。

みっつめは、実績の出し方です。 お取引先の社名は出さない。出せるのは数字だけ。 この線を先に引いたので、実績のページは社名の一覧ではなく、 依頼したあとに何が起きるかが分かる形にしました。

資料の修正が構成まで戻るのは、作り始める前に決めることが残っていたときが多いと考えています。

関係者が複数いる会社では、この60分に誰が出るか

今回のご依頼主は個人事業主の方で、頼む人・決める人・資料を使う人が同じでした。3つがその場で決まったのは、そのためでもあります。

会社の場合は、ここが分かれます。同じ60分を取るなら、 資料を実際に渡す人(営業)と、どの実績を外に出してよいかを決められる人の2人に出ていただくのが近道です。 どちらかが欠けると、3つのうち「読む人」か「実績」が持ち帰りになり、作り始めてから動きます。

確かめられたことと、これから確かめることを分けた

打ち合わせで伺った強みの中には、実績の裏付けがまだ無いものもありました。 初稿では、そこを言い切る表現にしていません。 資料は、読んだ相手が社内で説明に使うものです。 確かめられたことと、これから確かめることを、同じ強さで書かないようにしました。

初稿のあと、5点の修正のご指示をいただきました。 表現をやわらげる言い換え、強みの見せ方をご本人の言葉に合わせること、 料金のページに「目安」と明記すること、などです。 あわせて書体を、WindowsでもMacでも同じ名前で入っているものに替えました。 先方がご自身のパソコンで開いて直すときに、文字の並びが崩れないようにするためです。 5点はいずれも表現と体裁の修正で、構成を組み直すものはありませんでした。

納品のときに添えたもの

資料は、送る先があって初めて働きます。納品のときに、資料とは別に2つ添えました。

ひとつは、この資料を送る先の候補です。 会社の名前を並べるだけでなく、なぜ相性がよいと考えたかと、どの切り口で声をかけるかを1社ずつ書きました。 もうひとつは、送ったあとに反応が止まったとき、どこから見直すかのご案内です。

候補の会社名だけでなく相性の理由と切り口まで書いてあったこと、 送ったあとに止まった場合の見直しまで案内があったことを、心強いと言っていただきました。 打ち合わせで決めた3つよりも、この2つのほうが、資料を受け取ったあとの動きに近いものです。

結果

検収まで完了しています。 資料を送ったあとの先方の商談数や売上は、こちらで確かめられていないため書きません。 この案件について言えるのは、先方からの修正が言葉と体裁の5点で収まり、構成の組み直しが出なかったことまでです。 1件の結果なので、先に決めればいつもそうなる、とは言いません。

資料を作り直す前に決める3つ

この案件で先に決めた3つです。外に頼むときも、社内で作るときも使えます。

1

読む人と場面を、1行で書く

誰が開くのか。ひとりで読むのか、説明を受けながら見るのか。ここが変わると、並べる順番が変わります。

目安10分/材料=直近で資料を渡した相手3人

2

載せる範囲を、声をかける先から決める

どの業種・どの相手まで声をかけるのか。範囲が決まると、資料に載せる例が決まります。途中で広げると、例を入れ替えるたびに順番が動きます。

目安15分/材料=これまでに反応があった相手の一覧

3

実績をどこまで出すか、先に線を引く

社名を出すのか、数字だけか、業種までか。最後に決めると、実績のページが丸ごと差し戻りになります。

目安15分/材料=取引先との取り決め

3つのうち、社内だけで決めにくいのは3つめです。 出したい実績ほど、相手先との取り決めを確かめる必要があるためです。

そして、資料ができたあとに残るのが、納品のときに添えた2つ—— 送る先の候補(相性の理由と切り口つき)と、反応が止まったときに最初に見直す場所です。 ここは資料の外にあり、作り直しだけでは埋まりません。

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いまお使いの資料を、
誰がどの場面で読むかから見てみませんか。

1ページ拝見して、構成から直すか・言葉の直しで足りるかをお伝えします。画面共有で見せていただく形で構いません。

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