「月額のお客様は何社か」に、答えが2つあった
当社の話です。毎週の振り返りで「月額でご一緒しているお客様は何社か」を見ています。 ところがある時点まで、この数は見る場面によって違っていました。 毎月のように依頼をくださる会社を入れるかどうかが、決まっていなかったからです。
決めたのは、毎月の契約を取り交わしている会社だけを数える、ということでした。 繰り返し単発でご依頼くださる会社はありがたい存在ですが、この数には入れません。 入れるかどうかを会議のたびに相談していると、お客様が増えたのか、数え方が変わったのかが区別できなくなるからです。
営業会議で揉める数字も、たいてい同じ形をしています。商談を、初めて会った日から1件と数えるのか、見積を出した日からか。 受注を、契約書を交わした日で数えるのか、請求した日か。どちらが正しいかより先に、どちらで数えるかが決まっていないことが問題です。
取れなかった数字を、0と書かない
もう1つは、数字が取れなかった週の扱いです。当社は自社サイトの閲覧数を毎週集計していますが、 集計の仕組みが止まった週に「0」と出ると、その週は誰も見なかったことになってしまいます。 いまは取れなかった週は「取得不可」と出すようにしています。
0は「数えた結果が0だった」、取得不可は「数えられなかった」です。会議での意味もまったく違い、0は打ち手を考える理由になり、取得不可は仕組みを直す理由になります。 同じ欄に同じ「0」が並ぶと、どちらの話をすべきかを会議の場で取り違えます。
以前の流れ
数え方が
見る場面ごとに違う
↓ 「入れる・入れない」をその場で判断
- 毎月のように依頼をくださる会社を、入れる資料と入れない資料
- 取れなかった週も、0と表示される
- 数え方を変えても、どこにも書かれない
増えたのか、数え方が変わったのかが分からない
変えたあとの流れ
数え方を
1枚の取り決めに書く
↓ どの会議の資料も、同じ表から作る
- 何を1件と数えるか
- 数えないものは何か
- 取れなかったときは「取得不可」、決めた日も書く
増えたのか、数え方を変えたのかを見分けられる
図:表を増やすのではなく、表の外に「数え方」を1枚置きます。
取り決めは、表の外に1枚で置く
数え方を表の計算式の中に埋めると、作った人にしか読めなくなります。 何を数えるか、数えないもの、取れなかったときの書き方、決めた日。この4つを表の外に1枚で置き、 会議の資料はすべてその取り決めに沿った1つの表から作ります。
数え方を変えたいときは、表をいじる前に取り決めを直し、変えた日を書き添えます。 こうしておくと、先月と今月の差が「実際に増えた」のか「数え方を変えた」のかを、あとからでも見分けられます。
今週できる3つ
ここだけ持ち帰っても、最初の一歩は踏めます。3つ目は5分で終わります。
1
会議で使う数字を3つ選び、数え方を1行ずつ書く
「何を1件と数えるか」「数えないもの」を書きます。すぐに書けない数字は、会議のたびに揉めやすい数字です。
目安20分/材料=直近の会議資料1回分
2
取れなかったときの書き方を決める
数えて0なら「0」、数えられなかったら「取得不可」。空欄のまま残さないと決め、取れなかった所を0で埋めていないか、過去の資料も見直します。
目安10分/材料=過去3か月の会議資料
3
数え方を変えたら、変えた日を資料に残す
取り決めに日付を書き、変えた月の資料には一言添えます。前月や前年と比べるときの読み違いが減ります。
目安5分/材料=1で書いた取り決め
ここまでの3つは、道具を変えずに明日から自分でできます。数え方のずれを見つけるところまでは、社内で進められます。
会議が増えるほど、数え方は離れていく
週次・月次・四半期と会議が重なり、部署ごとに資料を作る人が替わると、1枚に決めた数え方も少しずつ離れていきます。 しかも数え方を決めるには、営業・管理・経営のあいだで「どちらで数えるか」の合意が要ります。社内の誰か1人が決めると、ほかの部署が従いにくい数字になりがちです。
当社が数字がそろう営業会議の仕組みづくりでお受けしているのは、この合意と、その後の維持です。 現場の資料を拝見して数え方が分かれている所を洗い出し、関係する方々と取り決めを1枚にまとめ、 週次・月次・四半期の資料が同じ表から作られる形に組み直します。月2回の定例では、取り決めから離れ始めた数字を一緒に点検します。
